ケンカ+理解×大好き=友情
「小6の時、あさこちゃんと私がケンカしても、ナルミは私だけの味方にはなってくれなかった。
あさこちゃんとも仲良くしてさ……。
中2の時だって、私たちのグループと飯島さんがトラブった時、ナルミはどっちにもいい顔してた」
「いい顔って、そんなつもり……」
「私から見たらそう見えるんだもん!
飯島さんなんてぶりっ子だし男子ばっかに媚び売ってるんだからみんなで無視すれば良かったのに、ナルミは普通に話してたし……!」
そういえばそんなこともあったっけ……。と、忘れかけていた過去の出来事の数々。
何に対しても真面目なあさこちゃんと天真爛漫なミサキは、小学校入学当時からあまり気が合わなくて、何かあるたびにいがみ合っていた。
私はあさこちゃんとミサキ、どちらも好きだったから、両人からグチやケンカ話を聞きつつも、どちらの味方にもならなかった。
中2の時もそう……。
クラス、いや、学年中の女子に嫌われていた飯島さんと私は、とても気が合った。
みんなは飯島さんのことをぶりっ子だとか男と女に対して態度が違うと非難してたけど、飯島さんは女子より男子の方が付き合いやすいと考えているだけで、みんながウワサするように、男子に媚びたりかわいこぶるような人ではなかった。