ケンカ+理解×大好き=友情
怒りで頬を紅潮させるミサキに、私は落ち着いた口調で言い聞かせた。
「その時にも言ったけど、あさこちゃんとミサキ、どっちかの味方なんて出来ないよ。
2人のことだもん。無関係の私が片方に加勢するなんておかしいじゃん……。
そんなことしたら、ミサキはあさこちゃんと仲直りしづらくなるよ?
飯島さんの時も、私は中立だったなんて思ってない。
どっちの味方とか、そんなん関係ない。
私は関わりたい人と関わっただけ……。
みんな飯島さんのことをよく知りもせずに悪く言ってたけど、みんなが言うほど飯島さんは悪い子じゃなかったよ。
小さい時から男兄弟の中で育って、幼なじみにも男の子しかいなかったから、女の子との接し方が分からなかっただけなんだって……。
私もどっちかっていうと男の子がやるような遊びが好きだったから、飯島さんと話してて楽しかった。
飯島さんを嫌う女子やミサキたちの敵になったんだとか、そんなつもりは全然なかったんだよ。
今だって……。あっちゃんは私たちの友達じゃん。
私たちがあっちゃんに何かされたとか裏切られたんならともかく、ユナちゃんのことだけであっちゃんと絶交するなんて、私にはできない」
言い終えた後、口の中がカラカラに渇いていた。