ケンカ+理解×大好き=友情
ミサキはスッと立ち上がり、泣きそうな目をした。
くっきり二重の綺麗なその瞳には、失望の色が見て取れる。
私は座ったままミサキを見上げていた。
「中立は嫌われるよ……」とつぶやいたミサキの姿が、扉の向こうに消えるまで……。
ショック。
悲しみ。
悔しさ。
どれでもない。
ただ、「ああ、分かってもらえなかったんだな」って現実だけが漂っていた。
ミサキがいなくなった部屋は夜の薄暗さに染められていて、冷たかった麦茶もぬるくなっている。
中立は嫌われる、か……。
そんなつもりナイと言いながら、ミサキや周りの人から見た私はそんな位置にいたんだろうな……。