ケンカ+理解×大好き=友情
あっちゃんは手にしていたグラスをテーブルに戻し、前のめりになった。
人の話を聞こうとしている時の、あっちゃんのクセ……。
あっちゃんを励ましたくてここに来たのに、あっちゃんは私の話を聞こうとしてくれてるんだね……。ありがとう。
さっきミサキとの間にあったことを、かいつまんで話すことにした。
あっちゃんを味方につけるとかミサキのグチを言って発散したいなんて気は全くナイけど、口に出すたび、心が軽くなってゆく。
「うんうん」と相槌(あいづち)を打ちつつ、全てを聞き終えたあっちゃんは、バッサリ言い放った。
「それってどれも、なっちゃんは悪くないよ。
みいちゃんのワガママ」
「ミサキの、ワガママ……?」
キョトンとする私に、
「うん、そう。みいちゃんはなっちゃんに甘えてるんだよ」
と、あっちゃんは自信たっぷりに言った。
たしかに、ミサキには何かと甘えられているような気はするけど……。