ケンカ+理解×大好き=友情
私は目線をさげる。
ミサキが部屋を出て行った時はイマイチ現実味がなかったけど、こうしてミサキとの間にあったことを口にすることで、ミサキがいなくなった現状を再確認させられた。
ミサキとは家が近いし学校も同じだから、いつまでも友達でいられると当然のように思ってた。
でも、違うんだよね……。
気づかずやった間違いで、別れは急に訪れる。
「そうだとしても、さすがに今回は完全に嫌われたとおもう。
ミサキも、こんな私は嫌いってハッキリ言ってたしさ。
それならそれで、仕方ないよ……」
「なっちゃんにとって、みいちゃんの存在ってそんな簡単なモンなの……?
大切な友達だから毎日一緒にいたんじゃないの?
このままあきらめていいの?」
「え……?」
初めて見る。こんなあっちゃん……。
常に平和主義で楽観的で、自らすすんでケンカや議論なんてしない子だと思ってた……。
いま目の前にいるあっちゃんは、叱るような顔つきで私を見ている。
「あきらめるっていうか……。嫌われてるって分かってて追いかけても……」
ゴニョゴニョした口調でそう返した。