ケンカ+理解×大好き=友情
「ごめんね、あっちゃん。
絶交は行き過ぎだったかも!」
ミサキはイタズラが見つかった子供のように、両手を顔の前で合わせ軽やかな声であっちゃんに謝った。
「俺も誤解させるようなことしてごめんな。
みいちゃん、俺のこと心配してくれてたんだろ?」
「まあね」
と、小悪魔的微笑を浮かべるミサキ。
いざこざがあっても、後までズルズル引きずらずサッパリしているのがミサキらしい。
あっちゃんの恋の行方を心配するがゆえに、ミサキは絶交をほのめかし、盲目なあっちゃんの目を覚まさせたかっただけらしい。
「それならそうと先に言っといてほしかった」とミサキに訴えると、
「ナルミにほんとのこと言ったらあっちゃんにもそれが伝わって、あっちゃんの危機感が無くなりそうじゃん!」
と、一蹴(いっしゅう)されてしまった。
たしかに。ウソをつけない私は、あっちゃんに全て見破られてしまっただろうな。
さすがミサキ。
女性の方がウソがうまいと言われてる。
そういう意味で、ミサキは真の女性かもしれないね。