ケンカ+理解×大好き=友情
玄関先で立ち話しているのも暑いからと、ミサキはエアコンの効いた自室に通してくれた。
部屋の片付けが苦手なミサキ。
カーペット敷きのフローリングには、脱ぎっぱなしの服数着と山積みのCD、未開封のお菓子、開きっぱなしのノートパソコンといった、ホコリにさらしたらまずそうな物ばかりが放置されている。
あっちゃんは「すげー部屋!」と笑いながら私と共に足場を探し、なんとか座る位置を確保した。
ミサキは唯一障害物がないベッドの上にドサッと座り、唇を尖らせる。
「もう、ユナに深入りするのはやめたら?
ぶっちゃけさ、彼氏がいるのにラブホに誘ってくる女なんて怪しいだけだし、そこまで行っといて手出せない女なんてしんどくない?」
「ありがと、みいちゃん。心配してくれて。
ユナと付き合いたくないって言ったらウソになるけど。
ラブホもビックリはしたけど……。そういうの目当てでユナと関わってるんじゃないから」
あっちゃんの口調はこっちの胸がざわつくほど穏やかだ。
本気なんだな、ユナちゃんに……。