ケンカ+理解×大好き=友情

「うん、俺バカだよな。みいちゃんの言う通りだよ。

見込みがないってわかってた。

ユナには彼氏がいる……。

俺はいつも傷つく覚悟をしてたけど、自分のことしか考えてなかった。

これ以上深入りしたらユナに迷惑がかかるよな……。


ユナと関われなくなるのがつらくて、ずっと本当のことに目を向けないようにして、ユナとは友達なんだって自分に言い聞かせて、逃げようとしてた……。

でももう、そういうの終わらせるよ。

ユナに特別な感情持っちゃってる時点で、友達だなんてウソになるもんな」

あっちゃんの顔は、信じられないほど幸せそうだった。


ミサキが言うほどあっちゃんはバカでも考えナシでもなくて、

本当はあっちゃんなりに、ユナちゃんとの先を考えていたんだね。


あっちゃんの恋には不透明な点が多くて応援するのをためらったけど、いざこうなると「あっちゃん、本当にそれでいいの?」と、口にしてしまっていた。

ミサキも、あっちゃんがすんなりユナちゃんをあきらめるとは思ってなかったらしく目をパチクリさせていたが、

「わかったら、さっそくユナに電話したら?

きっちり『もう連絡すんな!』くらい言いなよ」

と、あっちゃんにユナちゃんへの電話をすすめた。

あっちゃんが意を決したようにケータイを手にした瞬間、

「……! ユナ!?」

こわいくらいのタイミングで、あっちゃんのケータイが鳴る。

ユナちゃんが電話をかけてきたのだ。


私とミサキは息を飲んで、ユナちゃんと話しているあっちゃんの様子を見守った……。

< 46 / 116 >

この作品をシェア

pagetop