ケンカ+理解×大好き=友情

その勢いでミサキの家を出た私たちは街に出て、あっちゃんの恋が実った記念にとちょっと豪華なケーキを買い、夜が明けるまで遊び、騒ぎ、楽しい時間を過ごした。

カラオケの後ボーリング場に行き、

最後は、人気(ひとけ)のない公園で、花火をすることにした。


なまぬるい風の中、東の空はうっすら白んでいる。


ユナちゃんとあっちゃんの関わりに難色を示していたミサキが、幸せをちりばめるように笑顔を咲かせている。

私も嬉しいよ。

あっちゃん、おめでとう。

あっちゃんの誠意と純粋な想いが、ユナちゃんにも伝わったんだね。


ユナちゃんも別れた彼氏といろいろあったのかもしれないけど、あっちゃんならその傷を包んであげられる……。

ずっと、2人が幸せでいられますように。


最後に手にした線香花火の炎が地面に落ちる直前、朝日が差し込む公園の中であっちゃんはポツリと言った。

「なっちゃん。みいちゃん。

今日はほんとにありがとう」

ミサキは照れ隠しのためか無言で花火を振り回しながら離れた場所に歩いていってしまったけど、私は「うん」とうなずいたのだった。

< 48 / 116 >

この作品をシェア

pagetop