ケンカ+理解×大好き=友情

「仲は良いけど、それで問題がさ……」

あっちゃんが口を開くと、室内をうろうろしていたミサキもあっちゃんのそばに座る。


一瞬静かになり、部屋を涼しくしてくれるエアコンの音だけがココーッと響いた。


いま気づいたけど、あっちゃんは自分のハンバーガーをほとんど口にせずボンヤリしている。

大食いというわけじゃないけど、どんな食事でも「作ってくれた人に悪いから」と言い、残すタイプではないから珍しいなと思っていると、

「ユナの彼氏……じゃなくて元カレか……。

昨日ユナといる時に、そいつからユナに電話がかかってきてさ」

あっちゃんの重たい口が開かれた。

ミサキは身をのりだし、すかさず訊(き)く。

「元カレって、あっちゃんと付き合う前までユナが付き合ってた男?

あっちゃんと付き合ってるのに、ユナはまだ元カレと絡んでるの!?」

「違うんだ。昨日まで全然連絡も何もなかったらしい。

ユナは俺と付き合うことになってからそいつの番号とアドレス消してたから、昨日かかってきた電話も知らないヤツからだと思って出ちゃって……」

「ユナちゃんの元カレは、ユナちゃんに何の用があったの?」

私がそう尋ねると同時に、ミサキもあっちゃんに詰め寄った。

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