ケンカ+理解×大好き=友情
三角形を描くように3人向き合って座る。
食べかけのものと紙ナプキンが散らかったテーブルを横目に、ミサキと私はあっちゃんの返事を待つ。
ユナちゃんの元カレは、最初ヨリを戻そうと持ち掛けてきたらしいけど、ユナちゃんがそれを断った瞬間、事態は一変した。
「……元カレは、ユナとの別れに納得してないみたいなんだ。
今まであげたプレゼント代。おごってあげた食事代。旅費。全部返せって。
それが出来ないなら絶対別れないって」
あっちゃんの両腕は小さく震えている。
「そんな……! ユナちゃんは、あっちゃんと付き合ってるのに……」
動揺する私の横で、ミサキは冷静に腕を組み言った。
「うわー。そういうキモ男、リアルにいるんだねー。
ただ、ユナを引き止めたくてメチャクチャ言ってるだけじゃない?
あっちゃんがガツンと言ってやれば、すぐあきらめるっしょ!
『ユナは俺と付き合ってんだ! 調子乗ってんじゃねー!』ってさ!」
ザックリしていて好戦的なミサキの意見。
一歩間違えばとんでもないことになりそうだけど、ミサキの言うことはもっともだ。
別れた女にプレゼント代返せなんて、本気だとしたらどんだけ小さいケチケチ野郎なんだ。
あっちゃんはためらうように、
「いや。さすがにそれは……」
「そう言うと思った。
私たちを呼んだのも、平和なやり方でそいつを何とかしたかったからでしょ?
にしてもユナ、とんでもない男と付き合ってたんだねー。
っていうか、別れてから本性が出るっていうやつー?」
ミサキはあきれた口ぶりで、眉間にシワを寄せ固く腕を組んだ。