ケンカ+理解×大好き=友情
ユナちゃんの元カレ·マナツは、名前の通り夏生まれらしい。
やることなすこと、夏以上に熱すぎる……。
どうしたら元カノ相手にそんなハチャメチャな言動ができるんだ。
プライドとかないのかよ。
なんて、マナツの思考について考えても答えが出るわけじゃないし、何も変わらないよね。
私たちで、マナツの悪行を何とかしないと……!
マナツをこのまま放置したら、あっちゃんだけじゃなくユナちゃんもスッキリできないかもしれない。
でもあっちゃんは、「マナツにユナを取られるかも」なんてちっとも考えていなかった。
「ユナのことは信じてる。
それに俺はマナツに何を言われようと別にいいんだけど、ユナに何かあったらって思うと……」
「まぁ、心配だよね。そいつ、軽くストーカー入ってるし。
別れた彼女取り戻すために金の話持ち出すとか、おかしいって」
ミサキは珍しく深刻な面持ちでそう言うと、その表情とは裏腹に、あっちゃんの残した飲み物やハンバーガーに遠慮なく手を出した。
パクパク食べるミサキの姿から視線をはずすと、あっちゃんと目が合う。
あっちゃんは覚悟を決めたように、
「ユナのためにも、なるべく早く、マナツをなんとかしたい」
「どうするつもり?」
「マナツの要求をのめば、マナツもユナのことあきらめてくれると思うんだ。
今は、ユナと別れて意地になってメチャクチャ言ってるけど、話せば分かってくれるはずだから……」
あっちゃんはユナちゃんの代わりに、マナツって男にお金を渡すと決めた。