ケンカ+理解×大好き=友情

「はあ? そこまでする!?

放っときゃいーじゃん! あっちゃん、ただでさえ金なくて生活費切り詰めてやってんのに!」

ミサキが鬼のような形相で猛反対した。

私も、そればかりはミサキに賛成。

ユナちゃんを解放するためとはいえ、あっちゃんがマナツにお金を渡すなんておかしい。

いくらユナちゃんのためとはいえ……。


あっちゃんは食費を浮かせるために、バイト先のコンビニで賞味期限の切れたお弁当をもらってる。

1回のバイトにつき、3日分くらいの食糧をもらえるらしいけど、ぜんぶ賞味期限が切れたやつだから、食べた後お腹を壊すこともあるって言ってた……。

ユナちゃんも、その辺の事情は知ってくれてるはず。


ミサキの反対もむなしく、あっちゃんの決意は変わらないらしい。

どうしても理解できず、私はあっちゃんに訊(き)いた。

「ユナちゃんは、あっちゃんがマナツにお金渡す気でいること、知ってるの?」

「ううん、知らない。

気使わせたくないから、この先言う気もない。

もしユナに何か訊かれても、黙ってて! お願い…!」

あっちゃんは私たちにそう頼んだ。


そこまでして、ユナちゃんをマナツから守りたいんだね……。

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