ケンカ+理解×大好き=友情
「じゅっ、10万っ~!?」
マナツに渡すお金をザッと計算したあっちゃんが電卓片手に情けない声を上げたのは、それから数分後のこと。
ユナちゃんは、マナツから相当な数のプレゼントをもらっていたらしい。
10万。
車校の授業料がたしか、30万くらいだったから……。
その、およそ3分の1~!?
ありえない……。詐欺だ。
しかも、この10万はリアルに計算したらさらに跳ね上がるかもしれないんだ。
この金額は、あっちゃんがユナちゃんに「マナツからは何もらったの?」と聞き出し、得た答えによって算出したもの。
ユナちゃんがマナツにもらった物全てを把握して計算したわけではない……。
「貯金が無くなる~!
でも、ここで引くわけにはいかないんだぁぁ!!」
電卓に映し出された10万という数字を見て身もだえするあっちゃん。
ミサキは他人事のように、
「大丈夫だって!
マナツだって、本気で全額返してもらおうなんて思ってないだろうし、1万円札の間に千円札をちょっとずつテキトーに挟んでおけば、札束が分厚くなって多く見えるし、マナツの目もごまかせるでしょ」
「ん~……。ミサキの言う通り、マナツが単純だったらいいんだけどね……」
私は力なくつぶやき、電卓と格闘するあっちゃんとひょうひょうとしたミサキを見つめていた。