ケンカ+理解×大好き=友情
その日の午後。
一旦家に帰ろうと駅に向かっていた私とミサキの元に、カラッと笑顔のあっちゃんがやってきた。
私たちの行動範囲を知っていてくれるようで、迷わずここに来たみたいだ。
ずっと走ってきたのか、肩で息をしている。
「マナツ、わかってくれたよ!
もう、ユナには会わないって!!」
あっちゃんがそう口にするのを聞いて、私とミサキは目を見合わせた。
あっちゃんもマナツに会うまでは、不安でいっぱいだったに違いない。
でも、それももう終わりなんだね。
「これで心おきなく、ユナとイチャつけるじゃん」
ニヤニヤ顔でからかうミサキに、あっちゃんはゆるまった頬を赤く染める。
「ありがとう。これも、みいちゃんとなっちゃんのおかげだよ」
「今度こそ、ユナちゃんと幸せにね!」
そう言う私の目には、ちょっとだけ涙がにじんだ。
よかった。
よかった。
もう、ユナちゃんとあっちゃんの恋を邪魔する人はいなくなった。
あっちゃんが幸せになるんだと思うと、結婚式で娘を見守る父親のような気分になった。