ケンカ+理解×大好き=友情
この先私に彼氏ができても、私たち3人の関係は変わらない。変えたくない。
でも、あっちゃんにとってユナちゃんとの時間が大切なら、それを尊重するのも私とミサキの役目なんだ。
わかってるけど、やっぱり少し寂しいな。
「そーだ! あっちゃんって、今日の夜は駅前の居酒屋でバイトする日じゃない?
行ってみようよ!」
ミサキの思いつきで、夜、あっちゃんに会いに行くことにした。
あっちゃんは夏休み中、いろんなバイトを掛け持ちすると言ってた。
アミューズメント施設のシックな出入口を抜けようとした時、私たちと入れ違うかのように店内に向かう1つのカップルがいた。
まじまじ顔を見るのも抵抗あるから、うつむいてすれ違う。
すれ違った後、まるで磁力で引き寄せられたかのように何気なくその人達の方に振り返る。
男の後ろ姿がマナツに似ている気がした。
隣にいる小柄な女の子の肩を抱いて歩いてる……。
マナツにも、新しい彼女ができたのかな?
顔は見えなかったし、マナツに似ているだけの別人かもしれない。
ひそかにマナツの幸せも願う。
あっちゃんとユナちゃんの問題が解決したことで、今の私にはそれだけ心の余裕があるんだな。
「ナルミー、いこー?」
立ち止まって後ろを向いてる私に、先に外に出ていたミサキが声をかけてくる。
「ああ、ごめんごめん!」
この時、マナツらしき男が連れていた女が誰だったのかなんて、私たちには気付けるはずがなかった。