ケンカ+理解×大好き=友情
2·わかりあえず
夏休みが始まってもう2週間。
私とミサキがあっちゃんと知り合って3ヶ月。
ダルいテストを何とか終えて心置きなく夏休みを迎えることができた私達3人は、時間が合えば毎日のように一緒に遊んでいた。
週に2~3回はあるワンゲル部の集まりも必ず3人で行くし、
私自ら、おばあちゃんに買ってもらった車を運転し、遠くの海水浴場に出かけたりもした。
知り合ってある程度経つと友達の交友関係がだいたい見えてくるけど、あっちゃんは私たち以外の音羽大の学生と関わっている気配がない。
唯一関わっていると言えば、同じ経済学部の女子とだけ。
あっちゃんが『ユナ』と呼んでるその子にはマナツという名の彼氏がいるんだけど、ユナちゃんは何かあるたびにあっちゃんに電話をしてくる。
私たちと遊んでいる時も、ユナちゃんから電話があるとあっちゃんはソワソワする。
「ユナから電話だ……。でも今はなっちゃんとみいちゃんがいるし出ない」
「気にしないで出たら?」
私は別にいいんじゃない?って感じでその様子を見てたけど、ミサキはユナちゃんに厳しい目を向けていた。