ケンカ+理解×大好き=友情
バイトで輝いていたあっちゃんの笑顔。
それが悲しみと不安を隠すための仮面だと知ったのは、それから数時間後のこと。
バイトを終えたあっちゃんと共に居酒屋を後にした私たちは、習慣のように大学近くのファミレスに入る。
居酒屋と違い、そこは客が少なかった。
ドリンクバーだけをオーダーし、席につく。
「ユナと付き合ってから、男らしくなったじゃん」と、からかい半分で褒めるミサキに、あっちゃんは沈んだ表情を浮かべた。
「……ユナとは、ずっと会ってない。
距離置きたいって言われてるから」
「え!?」
客の少ない静かすぎる夜のファミレスに、私の驚き声は大きく響いた。
あっちゃんはマナツにお金を渡した後、一度だけユナちゃんと会った。
その時、マナツ問題も消えてユナちゃんと心おきなく過ごせると思っていたのはあっちゃんだけだった。
ユナちゃんは何を考えているのか分からない顔つきでこう言ったそうだ。
『アマネのこと好きだけど、このまま付き合い続けていいのかどうか、分からない。
しばらく一人になって考えたい』
ユナちゃんはそう言い残し、あっちゃんと距離を置いた。
それからもう、二週間になる。
その間、ユナちゃんからの連絡は来てないとあっちゃんは苦しそうにつぶやいた。