リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
昔のように見つめてくれないその瞳に、その横顔に、牧野はずっと訴えていた。
(なあ、俺を見てくれよ)
(もう一回、チャンスくれよ)
(今度は、間違えないから)
(少しは、俺も変わったはずだから)
(もう一回。俺を見てくれよ)
伸ばしたい腕を、抱きしめたい体を、ずっと息を詰めるようにして堪えて、ずっと、待ち続けていたのだ。
もう一度、昔のように寄り添い会える日を、牧野は待ち続けた。
だから、やっと、二人で向き合って抱きしめあえたこの場所から、今夜は出て行けなくなってしまった。
側にいたくて。
その温もりを感じていたくて。
牧野はどうしようもなく、今夜は明子の側にいたかった。
突然のことに、どうしたらいいのか判らないというように、家の中をうろうろしている明子を見て、呆れつつも牧野の頬は緩みまくった。
(やっぱり、かわいいな)
思いかげず拝ませてもらうことになった、体に程よく馴染んだスウェットを着た化粧っ気の全くない明子の姿が、牧野にはどうしようもなくいじましくて可愛らしかった。
顔を埋めた胸の膨らみの柔らかさが、安心をもたらしてくれて、この上なく心地よかった。
もしかしたら、ノーブラかというその感触に、思わずそれを口にしてしまいそうになったけれど、そんな無粋なことをして、折角の甘い時間をぶち壊したくないなとそれを堪えて、その胸に甘え続けた。
(なあ、俺を見てくれよ)
(もう一回、チャンスくれよ)
(今度は、間違えないから)
(少しは、俺も変わったはずだから)
(もう一回。俺を見てくれよ)
伸ばしたい腕を、抱きしめたい体を、ずっと息を詰めるようにして堪えて、ずっと、待ち続けていたのだ。
もう一度、昔のように寄り添い会える日を、牧野は待ち続けた。
だから、やっと、二人で向き合って抱きしめあえたこの場所から、今夜は出て行けなくなってしまった。
側にいたくて。
その温もりを感じていたくて。
牧野はどうしようもなく、今夜は明子の側にいたかった。
突然のことに、どうしたらいいのか判らないというように、家の中をうろうろしている明子を見て、呆れつつも牧野の頬は緩みまくった。
(やっぱり、かわいいな)
思いかげず拝ませてもらうことになった、体に程よく馴染んだスウェットを着た化粧っ気の全くない明子の姿が、牧野にはどうしようもなくいじましくて可愛らしかった。
顔を埋めた胸の膨らみの柔らかさが、安心をもたらしてくれて、この上なく心地よかった。
もしかしたら、ノーブラかというその感触に、思わずそれを口にしてしまいそうになったけれど、そんな無粋なことをして、折角の甘い時間をぶち壊したくないなとそれを堪えて、その胸に甘え続けた。