リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
牧野の、思いがけず、大きく逞しいその手に掴まれた右腕を、明子は見た。

体は、ほどよく温まった。
けれど、右腕だけは。
握りしめられた、右腕だけは。

じんとした甘い疼きにも似た熱で、あのときからずっと、火照ったままだった。
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