リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
どうにもこうにも。
前にも進めず。
後にも戻れず。
ただ無為に、会社と家を行き来するだけの生活を過ごしていく中で。
いつの間にか、友人たちは家庭を持ち。
いつの間にか、一人で過ごす時間が増え。
いつの間にか、乱雑な部屋が気にならなくなり。
いつの間にか、服はLLサイズになっていて。
気合を入れて着飾ることもなくなり。
情報誌をチェックして、あちらこちらと食べ歩くこともなくなり。
掃除も洗濯も嫌々やっている状態になり。
料理など作る気力もなくなり。
お手軽なコンビニ弁当ですませるようになり。
結婚への憧れなど、もはや微塵もなくなって。
それ以前に、恋愛そのものが面倒になって。
惰性と慢性だけで続けていく生活。
それが明子の日常になった。
もう一度、見たくない現実を、明子は見た。
『贅肉』という名の、みっちりと体に張り付いた現実を、明子はまじまじと見た。
(こんな状態に、なっていたんだよね)
(あたし)
重いため息が、吐いてでた。
前にも進めず。
後にも戻れず。
ただ無為に、会社と家を行き来するだけの生活を過ごしていく中で。
いつの間にか、友人たちは家庭を持ち。
いつの間にか、一人で過ごす時間が増え。
いつの間にか、乱雑な部屋が気にならなくなり。
いつの間にか、服はLLサイズになっていて。
気合を入れて着飾ることもなくなり。
情報誌をチェックして、あちらこちらと食べ歩くこともなくなり。
掃除も洗濯も嫌々やっている状態になり。
料理など作る気力もなくなり。
お手軽なコンビニ弁当ですませるようになり。
結婚への憧れなど、もはや微塵もなくなって。
それ以前に、恋愛そのものが面倒になって。
惰性と慢性だけで続けていく生活。
それが明子の日常になった。
もう一度、見たくない現実を、明子は見た。
『贅肉』という名の、みっちりと体に張り付いた現実を、明子はまじまじと見た。
(こんな状態に、なっていたんだよね)
(あたし)
重いため息が、吐いてでた。