リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「これは、あくまでも確認作業です。全て、この要求、要望通りにさせていただくというような、そんなお話をさせて頂いているわけではありません。どんなシステムを構築しても、メリットだけでありません。残念ながら、少なからず、デメリットも生じます。そのデメリットを最小限に抑えるために、問題点を洗い出し、その解決策を検討し、実現の可能性、システムを導入することでの費用対効果など、総合的な視点からお客様のご希望に添えるシステムを、企画し提案させて頂くことが、この打ち合わせの目的です。そのための、言わば叩き台となる資料を作らせて頂き、次回はその資料を元にお話し合いをさせていただければと、考えております。どうか、ご協力ほどよろしくお願いいたします」
早すぎず。
遅すぎず。
適度な抑揚をつけながら、明子は彼らに語りかけ続け、一区切りついたところで、一礼した明子は、顔を上げると、その目で沢木をぴたりと捕らえ、次の言葉を続けた。
「このまま、続けさせていただいても、よろしいでしょうか?」
明子の言葉に、沢木は一呼吸置いて、少し休憩を取らせてほしいと返してきた。
畏まりましたと、そう、大きく頷くと、沢木を筆頭に、男たちはそそくそと退室して行った。
早すぎず。
遅すぎず。
適度な抑揚をつけながら、明子は彼らに語りかけ続け、一区切りついたところで、一礼した明子は、顔を上げると、その目で沢木をぴたりと捕らえ、次の言葉を続けた。
「このまま、続けさせていただいても、よろしいでしょうか?」
明子の言葉に、沢木は一呼吸置いて、少し休憩を取らせてほしいと返してきた。
畏まりましたと、そう、大きく頷くと、沢木を筆頭に、男たちはそそくそと退室して行った。