リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
一通り、プレゼンが終って。
内容はいいだろう、判りやすいし、これなら客も納得してくれると思うと、笹原が頷きながら合格点を出した。
(よしっ)
(いけたっ)
(恐れ入ったか、牧野!)
(ふふーんっだ)
明子は内心ガッツポーズを取りながら、にこりと笑みを浮かべて「ありがとうございます」と笹原に答えたが、沼田はその横で言葉もなく項垂れままだった。
「沼田。とりあえず、今日はとことん練習しよう。時間なら十分あるからな。もっとよくなるだろ」
「そうだね。繰り返して練習すれば、もう少し落ち着いて喋れるようになるだろうからね。完璧とまではいかなくても、もう少し、よくなるよ」
牧野と松山の言葉に、沼田はさらに背中を小さく丸めて、すいませんと頭を下げた。
「小杉主任みたいな完璧なスピーチ、僕にできればいいんですけど」
沼田のその言葉で、なんとなく、明子は自分の中の違和感の正体に気付いた。
(そういうことか)
(いやいや、そうじゃないと思うんだけどな)
(んー、どうしようね)
そんな自問自答を胸中で繰り返しながら、明子は感じたことをそのまま口にして、沼田に尋ねた。
「ねえ。沼田くん。完璧なスピーチってなに?」
内容はいいだろう、判りやすいし、これなら客も納得してくれると思うと、笹原が頷きながら合格点を出した。
(よしっ)
(いけたっ)
(恐れ入ったか、牧野!)
(ふふーんっだ)
明子は内心ガッツポーズを取りながら、にこりと笑みを浮かべて「ありがとうございます」と笹原に答えたが、沼田はその横で言葉もなく項垂れままだった。
「沼田。とりあえず、今日はとことん練習しよう。時間なら十分あるからな。もっとよくなるだろ」
「そうだね。繰り返して練習すれば、もう少し落ち着いて喋れるようになるだろうからね。完璧とまではいかなくても、もう少し、よくなるよ」
牧野と松山の言葉に、沼田はさらに背中を小さく丸めて、すいませんと頭を下げた。
「小杉主任みたいな完璧なスピーチ、僕にできればいいんですけど」
沼田のその言葉で、なんとなく、明子は自分の中の違和感の正体に気付いた。
(そういうことか)
(いやいや、そうじゃないと思うんだけどな)
(んー、どうしようね)
そんな自問自答を胸中で繰り返しながら、明子は感じたことをそのまま口にして、沼田に尋ねた。
「ねえ。沼田くん。完璧なスピーチってなに?」