リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
明子のその問いかけに、沼田は虚を突かれたという顔で明子を見た。
せわしなく瞬きを繰り返す瞳の奥から、明子の問いかけに対する答えを必至に出そうとしている様子が窺えた。
だから、明子は沼田を見つめたまま、その答えを待ち続けた。
「落ち着いて、堂々と、最初から最後までしっかりと、話すことができたスピーチです」
「そう。でも、なんでそれをしなきゃいけないの?」
「なんでって」
予想にもしていなかった明子の奇妙な問いかけに、沼田は戸惑ったような明子を見ていた。
どうしてって。
そうするもんでしょう?
沼田の表情から、そんな思いが読み取れた。
明子は、するりと表情を和らげて、言葉を続けた。
「今回のプレゼンの目的は、なに?」
「え?」
目をくりくりさせて、そう尋ねる明子に、沼田はさらに困惑の色を浮かべた。
「なにって……」
「まずはお客様自身に、自分たちが今抱えている問題をはっきりと認識してもらうこと。それから、その問題を解決のために、私たちはこういったお手伝いをさせて頂きますってことを説明して、それを理解して貰うこと。その結果、こうなりますよってことを、漠然としたイメージじゃなくて、明確なビジョンとして、お客様の頭の中に描いていただくこと」
よね?
指折り数えるようにして、沼田にそう確認した明子は、そのまま言葉を続けていった。
せわしなく瞬きを繰り返す瞳の奥から、明子の問いかけに対する答えを必至に出そうとしている様子が窺えた。
だから、明子は沼田を見つめたまま、その答えを待ち続けた。
「落ち着いて、堂々と、最初から最後までしっかりと、話すことができたスピーチです」
「そう。でも、なんでそれをしなきゃいけないの?」
「なんでって」
予想にもしていなかった明子の奇妙な問いかけに、沼田は戸惑ったような明子を見ていた。
どうしてって。
そうするもんでしょう?
沼田の表情から、そんな思いが読み取れた。
明子は、するりと表情を和らげて、言葉を続けた。
「今回のプレゼンの目的は、なに?」
「え?」
目をくりくりさせて、そう尋ねる明子に、沼田はさらに困惑の色を浮かべた。
「なにって……」
「まずはお客様自身に、自分たちが今抱えている問題をはっきりと認識してもらうこと。それから、その問題を解決のために、私たちはこういったお手伝いをさせて頂きますってことを説明して、それを理解して貰うこと。その結果、こうなりますよってことを、漠然としたイメージじゃなくて、明確なビジョンとして、お客様の頭の中に描いていただくこと」
よね?
指折り数えるようにして、沼田にそう確認した明子は、そのまま言葉を続けていった。