リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「小杉、明日もその調子で頼むぞ」

その言葉ににこりと笑って「はい」と明るく答える小杉を見て満足げに頷いた笹原は、にたりと笑うと「がんばった褒美だ」とそう言って、まだ幾分笑っている様子の牧野に、ごつんという音が聞こえそうな拳骨を落として、楽しそうな顔で会議室を後にした。

いてーっと言い、顔を顰めて頭をさする牧野は、沼田を見て唇の端をにーっと持ち上げ笑う。

「よし。練習再開だ。今度は手加減なしの質問攻めだからな。覚悟しておけよ。完膚なきまでに叩きのめして、こっちが完全勝利してやるからな」
「あーあ。ブラックな牧野課長が、降臨しちゃったね。僕はそんなブラックさんにはなれないから、小林係長も呼んできちゃおうっと。一回毎に人を増やしてあげよう」

楽しそうにいひひと笑う課長と。
面白そうにむふふと笑う係長に。
あなたたちはオニだアクマだと明子は喚きつつ、焦り出す沼田にがんばろうねと笑って見せた。
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