リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「ヒメは、それが面白くないんだよ。クールで素敵な牧野様を、お前が振り回して遊んでいるみたいに思っているらしい」
その言葉に、明子はもう勘弁してくださいよというように項垂れた。
盲目にもほどがあるでしょうと、明子は辟易した。
「今の姿が、本来の姿なんですけどねえ。どうして、そんなに夢を見てるんでしようねえ。顔しか見てないのかなあ、あの子」
「なあ。それに、俺や君島なんかから見たら、どう見ても、牧野が小杉でガス抜きして、楽しんでるようにしか見えないんだけどな」
「私もそう思います。このやろーって、一日、何度、こう拳を振り上げたくなることか」
「ははは。刃傷沙汰だけは勘弁な」
明子の振り上げた拳に、小林は笑った。
「殿中なんで、堪えます」
「つーことは。牧野が吉良か」
明子の受け答えに、小林はけたけたと笑いながら便乗する。
「有志集めて徒党くんで、来月、討ち入りでもすっか」
「いいですねえ。あの腹黒い上司、みんなで成敗しましょう」
小林の言葉に、明子もうふふと笑い、そのまま二人でしばらく笑いあった。
ややあって、一息ついたところで、小林が声のトーンを幾分真面目なものに変えた。
「まあ。とにかく、お前さん、ヒメに目をつけられたのは確定だから、あんまり近づくな。とにかく」
「気をつけろ、ですね」
了解ですと、明子は深々とその言葉に頷いた。
その言葉に、明子はもう勘弁してくださいよというように項垂れた。
盲目にもほどがあるでしょうと、明子は辟易した。
「今の姿が、本来の姿なんですけどねえ。どうして、そんなに夢を見てるんでしようねえ。顔しか見てないのかなあ、あの子」
「なあ。それに、俺や君島なんかから見たら、どう見ても、牧野が小杉でガス抜きして、楽しんでるようにしか見えないんだけどな」
「私もそう思います。このやろーって、一日、何度、こう拳を振り上げたくなることか」
「ははは。刃傷沙汰だけは勘弁な」
明子の振り上げた拳に、小林は笑った。
「殿中なんで、堪えます」
「つーことは。牧野が吉良か」
明子の受け答えに、小林はけたけたと笑いながら便乗する。
「有志集めて徒党くんで、来月、討ち入りでもすっか」
「いいですねえ。あの腹黒い上司、みんなで成敗しましょう」
小林の言葉に、明子もうふふと笑い、そのまま二人でしばらく笑いあった。
ややあって、一息ついたところで、小林が声のトーンを幾分真面目なものに変えた。
「まあ。とにかく、お前さん、ヒメに目をつけられたのは確定だから、あんまり近づくな。とにかく」
「気をつけろ、ですね」
了解ですと、明子は深々とその言葉に頷いた。