リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「小杉。昼飯は?」
その声で、ようやく、明子はパソコンに集中させていた意識を外に向けた。
キーボードを叩く音と、マウスをクリックする音以外、音らしい音がなかった世界で、明子は牧野の存在すら忘れて作業に没頭していた。
昼飯という単語に反応して時間を確認すると、すでに十二時を半分以上過ぎていた。
「お弁当あるんで、留守番してます」
肩をぐるぐると回しながらの明子の言葉に、牧野は少し驚いたように目を見開き、へえっと感心したような声をあげた。
「今日も、作ってきたんだ?」
「一人で留守番しているようだったら、外には出ないほうがいいかなあと思ったもんで。残り物、詰め込んできただけですけどね」
「土日はこの辺りは、あんまり店も開いてないしな」
明子とそんな話をしながら、ゆらりと立ち上がった牧野は「じゃあ、ちょっと出てくるな」と告げて、部屋をあとにした。
その声で、ようやく、明子はパソコンに集中させていた意識を外に向けた。
キーボードを叩く音と、マウスをクリックする音以外、音らしい音がなかった世界で、明子は牧野の存在すら忘れて作業に没頭していた。
昼飯という単語に反応して時間を確認すると、すでに十二時を半分以上過ぎていた。
「お弁当あるんで、留守番してます」
肩をぐるぐると回しながらの明子の言葉に、牧野は少し驚いたように目を見開き、へえっと感心したような声をあげた。
「今日も、作ってきたんだ?」
「一人で留守番しているようだったら、外には出ないほうがいいかなあと思ったもんで。残り物、詰め込んできただけですけどね」
「土日はこの辺りは、あんまり店も開いてないしな」
明子とそんな話をしながら、ゆらりと立ち上がった牧野は「じゃあ、ちょっと出てくるな」と告げて、部屋をあとにした。