リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
昼休みを終えた明子は、また会議室にいた。
沼田とともに金曜日のプレゼンについて、その内容と成果を君島と野木に報告し、それから今後の方向性について打ち合わせていた。
雑談を交えながらのその話は、二時間近くに及んでいた。
話が一区切りついたところで「そろそろ、お茶の時間にしたいです」と、明子は君島に訴えた。
「そうだな。野木も、そろそろ煙が欲しそうな顔になってきたしな」
「へへ。でも、最近は減ってきましたよ。とりあえず、一日一箱のペースじゃなくなりましたよ」
「ははは。森口がうるさいんだろう」
「ホントに、もう。俺の母親か、お前はって、怒鳴りつけたくなりますよ」
「怒鳴りつけてみたらどうだ? 最初が肝心だぞ」
「おー。課長が言うと説得力あるなあ。あとで相談に乗ってください」
あははと笑いながら、野木は「十分、タバコ休憩入りまーす」と、おどけた口調で告げていき、ノートやら持ち込んだ荷物一式を一通りまとめて会議室を出た。
「お茶、淹れてきましょうか?」
「渋いのが飲みたいな」
明子の問いかけに、君島が「悪いな」と言いながらそう答え、明子も「了解です、机において置きますね」と答えて、会議室を出る。
‐沼田、あのな……。
ドアを閉める瞬間。
君島が、沼田になにかを語りかけ始める声がした。
沼田とともに金曜日のプレゼンについて、その内容と成果を君島と野木に報告し、それから今後の方向性について打ち合わせていた。
雑談を交えながらのその話は、二時間近くに及んでいた。
話が一区切りついたところで「そろそろ、お茶の時間にしたいです」と、明子は君島に訴えた。
「そうだな。野木も、そろそろ煙が欲しそうな顔になってきたしな」
「へへ。でも、最近は減ってきましたよ。とりあえず、一日一箱のペースじゃなくなりましたよ」
「ははは。森口がうるさいんだろう」
「ホントに、もう。俺の母親か、お前はって、怒鳴りつけたくなりますよ」
「怒鳴りつけてみたらどうだ? 最初が肝心だぞ」
「おー。課長が言うと説得力あるなあ。あとで相談に乗ってください」
あははと笑いながら、野木は「十分、タバコ休憩入りまーす」と、おどけた口調で告げていき、ノートやら持ち込んだ荷物一式を一通りまとめて会議室を出た。
「お茶、淹れてきましょうか?」
「渋いのが飲みたいな」
明子の問いかけに、君島が「悪いな」と言いながらそう答え、明子も「了解です、机において置きますね」と答えて、会議室を出る。
‐沼田、あのな……。
ドアを閉める瞬間。
君島が、沼田になにかを語りかけ始める声がした。