リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「だからー、なにもありません。何度も言わせないでくださいよ。なにを期待してるんですか、二人して」
ぷんぷんぷんと、しつこいお兄さんたちに怒っていますと言うように、そんな言葉と共に肩を叩く明子に、君島は「俺の肩を壊すなよ」と笑う。
「だいたい、牧野さんのタイプじゃありませんもん、私。そんな展開になるはずないじゃないですか」
明子のその言葉に「なにを言っているんだ、お前」「バカか?」と、君島と小林は揃って呆れ声をあげて、明子を見た。
「タイプじゃないって。あのな、お嬢さん」
「はっきり言うぞ。俺たちが知る限り、かなり、あいつの好みのタイプだぞ。お前さんは」
「そんなわけないですよ。昔、タイプじゃないって、そう言われましたもん」
「あのな。誰にそんなデタラメを吹き込まれたんだよ」
「誰にって。牧野さんが自分で言ったんです」
「お前なんか、タイプじゃないって?」
そんなバカなとでも言いたげな二人に、明子は飲み会でのことを話し聞かせた。
「で、誰かが聞いたんですよ。じゃあ、小杉さんみたいに子は、好みのタイプじゃないわねって。牧野さん、笑いながら、だなーって」
そう、はっきり言いました。
膨れっ面で、きっぱりという口振りでそう断言する明子に、小林は額に手を当てて呻き、君島はやれやれというような疲れた顔で笑った。
ぷんぷんぷんと、しつこいお兄さんたちに怒っていますと言うように、そんな言葉と共に肩を叩く明子に、君島は「俺の肩を壊すなよ」と笑う。
「だいたい、牧野さんのタイプじゃありませんもん、私。そんな展開になるはずないじゃないですか」
明子のその言葉に「なにを言っているんだ、お前」「バカか?」と、君島と小林は揃って呆れ声をあげて、明子を見た。
「タイプじゃないって。あのな、お嬢さん」
「はっきり言うぞ。俺たちが知る限り、かなり、あいつの好みのタイプだぞ。お前さんは」
「そんなわけないですよ。昔、タイプじゃないって、そう言われましたもん」
「あのな。誰にそんなデタラメを吹き込まれたんだよ」
「誰にって。牧野さんが自分で言ったんです」
「お前なんか、タイプじゃないって?」
そんなバカなとでも言いたげな二人に、明子は飲み会でのことを話し聞かせた。
「で、誰かが聞いたんですよ。じゃあ、小杉さんみたいに子は、好みのタイプじゃないわねって。牧野さん、笑いながら、だなーって」
そう、はっきり言いました。
膨れっ面で、きっぱりという口振りでそう断言する明子に、小林は額に手を当てて呻き、君島はやれやれというような疲れた顔で笑った。