リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
ラム酒入りのホットミルクセーキを飲みながら、明子は島野の言葉を思い出した。
-牧野を思って、体を疼かせたことはあるかい?
-牧野に抱かれている自分を、想像したことは?
そんな夜は、今まで一度たりともなかった。
淡い恋心に、胸を焦がした夜はある。
叶わぬ恋に、泣き続けた夜もある。
でも、きっと。
これからはやっている夜は。
もっと明子を苦しめる。
見たくなかった。
気付きたくなかった。
自分の中にあった、そんな”雌”の部分など。
けれど。
もう、目を背けていることはできない。
明子を抱きしめた腕を。
その温もりを。
求めて恋しがる夜が、これから幾度となく、明子のもとにやってくる。
牧野を想い。
牧野を求めて。
火照る体を抱きしめながら、眠る夜がやってくる。
ふぅっと、甘く、熱い吐息をこぼれた。
携帯電話を手に取った。
消すことのできない、牧野からの伝言を再生する。
おやすみの、あの声を聞きたくて。
携帯電話を、耳に押し当てた。
-牧野を思って、体を疼かせたことはあるかい?
-牧野に抱かれている自分を、想像したことは?
そんな夜は、今まで一度たりともなかった。
淡い恋心に、胸を焦がした夜はある。
叶わぬ恋に、泣き続けた夜もある。
でも、きっと。
これからはやっている夜は。
もっと明子を苦しめる。
見たくなかった。
気付きたくなかった。
自分の中にあった、そんな”雌”の部分など。
けれど。
もう、目を背けていることはできない。
明子を抱きしめた腕を。
その温もりを。
求めて恋しがる夜が、これから幾度となく、明子のもとにやってくる。
牧野を想い。
牧野を求めて。
火照る体を抱きしめながら、眠る夜がやってくる。
ふぅっと、甘く、熱い吐息をこぼれた。
携帯電話を手に取った。
消すことのできない、牧野からの伝言を再生する。
おやすみの、あの声を聞きたくて。
携帯電話を、耳に押し当てた。