リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
(へえ……)
(『たか兄』って、バツ1って設定なんだ)
(まあ、そう言うあたしも、似たようなもんだわね)
(というか、バツはないだけ、あたしのほうがマシ? かな?)
(それとも、いっそ、バツがつくまでの関係に、なっていたほうが、気分的には、まだ救われたかなあ?)
(どっちにしても、ああやって出戻れる場所があってさ)
(いいなあ)
今となっても、もはやどうでもいいそんなことをを、ひたすらうだうだと考え続けた明子は、なにかを観念したように大きく息を吐き出した。
耳が、痛い。
楽しみな、楽しみな『高杉兄弟』を見ているというのに、いつものワクワクドキドキ感は全く溢れてこなかった。
それどころか、油断するとどんよりとした負け犬ちっくな気分の真っ黒な渦に、明子は放り込まれてしまいそうだった。
(『たか兄』って、バツ1って設定なんだ)
(まあ、そう言うあたしも、似たようなもんだわね)
(というか、バツはないだけ、あたしのほうがマシ? かな?)
(それとも、いっそ、バツがつくまでの関係に、なっていたほうが、気分的には、まだ救われたかなあ?)
(どっちにしても、ああやって出戻れる場所があってさ)
(いいなあ)
今となっても、もはやどうでもいいそんなことをを、ひたすらうだうだと考え続けた明子は、なにかを観念したように大きく息を吐き出した。
耳が、痛い。
楽しみな、楽しみな『高杉兄弟』を見ているというのに、いつものワクワクドキドキ感は全く溢れてこなかった。
それどころか、油断するとどんよりとした負け犬ちっくな気分の真っ黒な渦に、明子は放り込まれてしまいそうだった。