リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
(よくね、毎日、体重は計れっていうけどさ)
(あれって、向き不向きってもんが、ぜったいにあると思うんだよね)
そんなことを考えながら、どうか、減っていますようにと祈りつつ、明子は、体重計にそろりと乗った。
今まで、幾度となくダイエットに挑んでは破れてきた明子は、ちょっとの増減に大げさなくらい一喜一憂してしまうところがあった。
とくに、減よりも増に対しては、バカじゃないかと思うくらい落ち込んで、それが数日続くと、もういいやとヤケ食い状態に陥って、気がつくとダイエット始める前より体重が増えている。
そんなことを、ずうっと繰り返してきた。
それを踏まえて、今回は、新たなルールを作ってみた。
体重を計測するのは、週に一度。
金曜の夜のみ。
土曜の夜でも、日曜の夜でも、いつでもいいのだけれど、久しぶりに体重計に乗るかと思いつき、ダイエットを決意したのは金曜の夜のことだったので、金曜の夜を計測日と定めた。
一日単位のスパンで見れば、日によっては体重はまったく減らず、逆に増えてしまっていることもあるだろうけれど、一週間という単位ならば、増より減になっている確率が高いんじゃないかという、なんの根拠もないそんな思い込みのもと、こんなルールを明子は定めた。
果たして、それが効果があるのかどうかは判らないけれど、毎日一喜一憂しているくらいなら、落ち込むのも喜ぶのも週に一度で十分と、明子は結論づけた。
但し、食事の内容は、あるていど正確にノートに記録した。
土曜の朝から金曜の夜までを、大学ノート1頁にまとめて、そして、最後の行には計測した体重を記入する枠を設けた。
そんな記録用ノートを作った。
そして迎えた、最初の計測日。
計測終了を告げるアラーム音に、明子は恐ろしいものでも見るように薄目を開いて、覗き見るように体重計に表示されている数字を見た。
一週間前よりも、1.6キログラム減った数字が目に入った。
(60キログラム台に、戻ったぁぁーっ)
目に飛び込んできた数字に、よしゃーっと拳を突き上げて、心置きなくと言わんばかりに明子はご褒美缶ビールを一本を冷蔵庫から取り出すと、ソファーの定位置に座りテレビと向き合った。
(あれって、向き不向きってもんが、ぜったいにあると思うんだよね)
そんなことを考えながら、どうか、減っていますようにと祈りつつ、明子は、体重計にそろりと乗った。
今まで、幾度となくダイエットに挑んでは破れてきた明子は、ちょっとの増減に大げさなくらい一喜一憂してしまうところがあった。
とくに、減よりも増に対しては、バカじゃないかと思うくらい落ち込んで、それが数日続くと、もういいやとヤケ食い状態に陥って、気がつくとダイエット始める前より体重が増えている。
そんなことを、ずうっと繰り返してきた。
それを踏まえて、今回は、新たなルールを作ってみた。
体重を計測するのは、週に一度。
金曜の夜のみ。
土曜の夜でも、日曜の夜でも、いつでもいいのだけれど、久しぶりに体重計に乗るかと思いつき、ダイエットを決意したのは金曜の夜のことだったので、金曜の夜を計測日と定めた。
一日単位のスパンで見れば、日によっては体重はまったく減らず、逆に増えてしまっていることもあるだろうけれど、一週間という単位ならば、増より減になっている確率が高いんじゃないかという、なんの根拠もないそんな思い込みのもと、こんなルールを明子は定めた。
果たして、それが効果があるのかどうかは判らないけれど、毎日一喜一憂しているくらいなら、落ち込むのも喜ぶのも週に一度で十分と、明子は結論づけた。
但し、食事の内容は、あるていど正確にノートに記録した。
土曜の朝から金曜の夜までを、大学ノート1頁にまとめて、そして、最後の行には計測した体重を記入する枠を設けた。
そんな記録用ノートを作った。
そして迎えた、最初の計測日。
計測終了を告げるアラーム音に、明子は恐ろしいものでも見るように薄目を開いて、覗き見るように体重計に表示されている数字を見た。
一週間前よりも、1.6キログラム減った数字が目に入った。
(60キログラム台に、戻ったぁぁーっ)
目に飛び込んできた数字に、よしゃーっと拳を突き上げて、心置きなくと言わんばかりに明子はご褒美缶ビールを一本を冷蔵庫から取り出すと、ソファーの定位置に座りテレビと向き合った。