リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
明子の勤める会社は、仕事用の携帯電話など支給してはくれない。
営業部であっても、自分の携帯電話を仕事に使っている。
なので、客先に出ている社員同士が連絡を取り合うときは、お互いの携帯電話となる。
必然的に、同じ部署で働いている社員同士は、番号交換をしあっていることが多い。
プライベートの番号を、無造作に教えてしまうことに抵抗のある社員は、自分で仕事用を別に用意していることもあった。
明子は、そのあたりはあまり頓着していないこともあって、仕事もプライベートもすべてごちゃまぜの携帯電話だった。
思わず、放り投げた携帯電話を恐る恐るという様子で再び手にした明子は、まるで魔物でも見るように、もう一度、ディスプレイを眺めた。
見間違いでもなんでもなく【牧野孝平】の名が、そこには表示されていた。
それを確かめて、明子は慌てて電話に出た。
(こんな休日に電話ってことはっ)
(トラブルってことじゃんっ)
(うぎゃーっ)
(一体、なにーっ)
(またもや、休日出勤なのーっ)
(勘弁してーっ)
そんなこんなで、かなり気持ちはパニくりながら、明子は電話に出た。
営業部であっても、自分の携帯電話を仕事に使っている。
なので、客先に出ている社員同士が連絡を取り合うときは、お互いの携帯電話となる。
必然的に、同じ部署で働いている社員同士は、番号交換をしあっていることが多い。
プライベートの番号を、無造作に教えてしまうことに抵抗のある社員は、自分で仕事用を別に用意していることもあった。
明子は、そのあたりはあまり頓着していないこともあって、仕事もプライベートもすべてごちゃまぜの携帯電話だった。
思わず、放り投げた携帯電話を恐る恐るという様子で再び手にした明子は、まるで魔物でも見るように、もう一度、ディスプレイを眺めた。
見間違いでもなんでもなく【牧野孝平】の名が、そこには表示されていた。
それを確かめて、明子は慌てて電話に出た。
(こんな休日に電話ってことはっ)
(トラブルってことじゃんっ)
(うぎゃーっ)
(一体、なにーっ)
(またもや、休日出勤なのーっ)
(勘弁してーっ)
そんなこんなで、かなり気持ちはパニくりながら、明子は電話に出た。