君と一緒なら
息をするたびに出る白い息。


雪がぱらぱらと頭の上に降ってくる。


今日は風が吹いていない、穏やかな日でした。


藤原 雪奈  高校2年生  冬


3年生は受験追い込みモードで、


そんな姿をただただ見ていく季節になりました。


寒くて痛くなってきた手に、


そーっと息を吹きかけ、温める。


「あぁ~ぁ。さっさとこんな所から抜け出したいよ


冷たい風が吹かないところに、行きたい。」


そぅ呟いた私の声は、一気に風に消された。


やっぱり、風はいつも私の周りにいる。


決して抜け出せないの。


そぅ思って、私は風を切って走った。
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