キスはおとなの呼吸のように【完】
「あぶないから掃除しなくちゃね」

せめておおきな破片だけでもと思ってしゃがみこむと、カウンターのむこうからカズトが制した。

「いいよ。ガラスはあぶないから、おれが今、ほうきとちりとり持ってきて片づけるよ。それよりシオリ。破片で怪我とかしてない?」

わたしはいちおう自分の足を確認してからかぶりをふった。
少々ふといところをのぞいて、べつだん変わったところはない。
< 105 / 380 >

この作品をシェア

pagetop