キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしは、ひざの高さくらいにあるカズトの顔をじっと見つめた。

不意にカズトのうしろのガラス扉が目にはいる。
ハロゲンヒーターがおいてあるほうから遠い側のすりガラス。
酒屋の裏口の引き戸の内側には、古いステッカーが一枚貼られていた。

「なんですか、それ」

わたしはなにげなくきいてみた。
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