キスはおとなの呼吸のように【完】
「よいしょ……っと」

先輩がわたしとおなじ位置の地面につくと、そえた両手にずしんと重さを感じる。
ダンボールはゆうに20キロはありそうだ。

「よし。地面におろすぞ。いいか、ゆっくりとだ」

むかいあってダンボールをかかえるわたしと大上先輩。
腰をかがめおおきな箱をタイルの床に直(じか)おきする。
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