キスはおとなの呼吸のように【完】
おとなへの階段をのぼっているさいちゅうに、両親の死に直面してしまったため、あいまいな境界線を自分の気持ちではなく、他者の目でこえてしまったということだろうか。

母の再婚で家をでなければいけなくなったわたしのように、カズトも自分の心と世間の目とのギャップを埋めるために、がむしゃらに生きいそいでいるのかもしれない。

重いプラスチックケースをダブルでかかえて運ぶことにも、そんな理由があるんだろうな。
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