キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしたちが顔をだすとほとんど同時に、担当者の男性がむかえてくれた。
この人も、ほかの社員に負けずおとらずかなり若い。
大上先輩よりも年したという印象だった。

「お忙しいなか……」

大上先輩は担当男性にあいさつをする。

「お時間をつくっていただき、ありがとうございます。わたしが電話をさしあげた大上で……」

先輩の言葉をわたしが引き継ぐ。

「大上の部下の袴田です」

わたしたちは十五度ていどに頭をさげて担当男性に名刺をさしだす。
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