キスはおとなの呼吸のように【完】
「寒いなか、ごくろうさまです。四葉屋の兼田(カネダ)です」

そういって若い担当者はわたしたちに名刺をさしだす。
名刺に記載されている肩書きをみておどろいた。


代表取締役・兼田春樹(ハルキ)。


つまり社長だ。

こういうちいさな会社への営業では担当者が社長ということはままあるが、まだ二十代なかばの若い社長というのははじめてだった。

兼田社長は、わたしのことをうえからしたまでなめるような視線で見てから大上先輩にいった。
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