キスはおとなの呼吸のように【完】
「では、どうぞ。そちらにおかけください」

三人で部屋にはいると、兼田社長はわたしたちをソファに座るよううながした。
フロアに対し背をむけるかたちで据えおかれた、黒光りする合皮のソファだ。

「さて」

兼田社長は高圧的にそういうと、その奥の社長用デスクに着席した。
ソファからは距離があり、そちら側からはフロア全体が見わたせるようになっている。
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