キスはおとなの呼吸のように【完】
「だが、営業の作戦は就業時間外にしか立てるタイミングがないものな」

困ったといった調子で言葉を続ける。

「まあ。かみさんにはたぶん叱られるだろうが、電話をいれておけば、おゆるしがでると思う」

これでほぼ決定という流れになった。

仕事帰りに大上先輩と一杯のみながら仕事の話をする。
急な展開で、財布の中身が少々さみしい。

プチ貧乏のわたしには痛い出費だが、仕事上の先輩の命令をことわるわけにもいかない。

それにお酒の弱い大上先輩がこんなことをいうなんて、おそらくそうとうなことなのだろう。
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