キスはおとなの呼吸のように【完】
「わかりました」

わたしがそういうと、大上先輩はため息をつきケータイ電話を操作した。

愛妻家の先輩は、奥さんに怒られるのがこわいらしい。

母の再婚が直接的な理由でないにしろ、ひとつの要因となってひとり暮らしをはじめたわたしには、そういうあたたかな家庭がほんのちょっとうらやましかった。
< 157 / 380 >

この作品をシェア

pagetop