キスはおとなの呼吸のように【完】
「袴田。そこの居酒屋でいいだろ」

大上先輩がなにげなく選んだ店は駅の近くの居酒屋チェーン。
わたしもまえに一度だけ利用したことがある。

学生時代の同級生に人数あわせのためだけに呼びだされた合コン会場。
ついでにいえば、三本酒店のお得意さん。
ようするにカズトの配達先でもある。

さすがにわざとらしいタイミングで店のまえにヴァンは停まっていないけど、この店を選ぶのは少々気が引ける。
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