キスはおとなの呼吸のように【完】
「兼田社長の場合、なんの社会経験もない学生のころから会社をはじめて、なまじ成功しているだろう。あの手の人間はプライドが高い。そういう人間の切りくずしかたは、慎重にいかなければならない」

なんとなく、いっていることがわかる気がする。

てんぐになっているとまではいわないが、人生の成功者のような感覚なのだろう。

今までなんの挫折もなしに、てっぺんまでのぼりつめていった若きエリート。

わたしたちを見くだすような態度をとったり、勝ち誇った笑いをしていたことも納得できないにしても理解はできた。
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