キスはおとなの呼吸のように【完】
「あっ」

わたしは反射的に言葉をもらした。

どうやら車は、今この場所に到着したばかりのようだった。
エンジンがとまり、なかから業者がおりてくる。

三本酒店の従業員といえば、ひとりしかいない。
亡くなった両親から継いだ実家のお店をひとりできりもりしている男だけだ。
< 176 / 380 >

この作品をシェア

pagetop