キスはおとなの呼吸のように【完】
うちであつかう商品はパソコンの周辺機器。
折りたたみのできるキーボードやワイヤレスの光学マウスなんか。
重いものといえば、たいていはコピー用紙なんかの紙類である。

「おっ。これだ、これ」

ひとりごとをいいながら大上先輩がダンボールの口をひらいた。
手をつっこんで中身をとりだす。
茶色い紙につつまれた上部が4センチ四方の長い角柱がなかからでてくる。

長さはあるが、意外とちいさい。
巨大ダンボールのなかには、おなじものがぎっしり詰まっているらしい。

A4くらいのサイズを想像していたわたしは、そのちいさなサイズにいささか拍子抜けしてしまう。
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