キスはおとなの呼吸のように【完】
一本目のバドワイザーをのみ終わると大上先輩がいった。

「ごちそうさま。おれはこれで失礼するよ。さすがにそろそろ帰らないと、かみさんに叱られちまう」

からになったビールの缶をカズトにわたすと、わたしのほうをむいていう。

「袴田もあまりのみすぎるなよ。明日も仕事なんだし、四葉屋の営業に二日酔いなんかでいったら、成功するものもしなくなってしまう」

大上先輩は引き戸に手をかけカズトのほうを再度ふりむく。
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