キスはおとなの呼吸のように【完】
そんな生活を数日すごした週末の土曜日。
次の日が休みということもあり、大上先輩はビールをがぶがぶのんでいた。

一本、二本、三本、四本。

たまにはそんな日もあるのだろうと、わたしはハロゲンヒーターの定位置から遠くの先輩を眺めていた。

先輩はわたしとは逆のカウンターの端で、ビールをのみながらモバイルPCとこのまえのポストイットを見くらべて、ああだこうだといじっている。

これから売りこむために、自分なりの資料をまとめているのだろうか。
まっかな顔とすわった目は、お酒のせいもあるのだろうが、すごい気迫を感じさせた。
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