キスはおとなの呼吸のように【完】
カズトに連絡するべきか。

それも考えたが、カズトはわたしたちと違い日曜日も仕事で朝がはやい。
ただでえさえ、わたしたちのせいで遅くまで立ちのみスペースを営業させてしまったのだ。
これ以上のめいわくはかけられない。
それに今ごろはもう眠っているかもしれないカズトを起こしてしまうのもいやだった。

だいいち、どうすればいいなんてたずねたところで酔っぱらいの処理のしかたなんて明確にこたえようがないのだ。

たとえ数回会ったことがある相手といっても、わたしの会社の上司をカズトの家に泊めてくれなんてずうずうしいにもほどがある。
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